生こじろう飼うまで日記 2003年6月


6月17日 生こじろうを飼う決心をする

100均で買った「かわ○いハムスター」を隅から隅まで読んでいたら、もっと詳しいハムスターの本が欲しくなった。そんな時に本屋で「わが家の動物・完全マニュアル ハムスター 飼育・医学・生態・歴史…すべてがわかる」というムックを見つけたので気楽な気持ちで買ったのだ。はむの写真集みたいな気持ちでね。眺めてるだけでもいいかなと思って。

ハムスターのことを全然知らなかったのでこの本はすごく勉強になった。特に知らされたのが、「ハムスターを飼ってあげる」のではなくて、「ハムスター様にご一緒に生活していただく」ということだったわけ。人間よりずーっと小さいハムスターに人間が合わせて暮らす。命を預かるというのはそれは大変なことなのだよ、という当たり前の事実。

もともと乾燥地帯に住んでいるハムスターは日本の湿気と暑さに弱く、最適な気温は20〜22度くらい、湿度も60%ぐらいときたもんだ。きれい好きで猫や犬のように人間の手に触られて必ずしもうれしいというわけではないし、ゴールデンハムスターでも3年、ジャンガリアンやロボロフスキーなら2年が寿命、病気になるハムスターも多く、近所に診てくれる動物病院は必須とのことだった。

(この項つづく)

6月18日 誤解を招かぬうちに

まだ生こじろうにはおいでいただいていないのだな。決心しただけ。で、この日記は、無事にたきがはがハムスター様を飼わせていただけるようになるまでの実録なので、いつになるのかちょっとわからないのだった。

新しく買った本は、「すべて」と銘打ってるだけあって、とても詳しかった。病気のはむはそれはもう痛々しいのだが、それだけに自分の責任で動物飼ったことのないたきがはには、「ハムスター飼うなんて無理〜」と思わせるだけの詳しさだったのだ。自分がなんにもやらなかったら生きていけないように、ハムスターを飼うということも、それと同じくらい大変で愛情と責任を持って飼うんですよ、ということが読んでいると伝わってくるので、けっこうお買い得な本だったと思う。と言うか、こういう本を買ってる時点で、「ハムスター飼いたいなぁ」という気持ちは80%くらい天秤が傾いているのだ。写真集どころではない。

それでだんだんと頭のなかに幻のハムスターが住まい始めるのだが、じゃあ、実際にはむ飼うとしたら、うちは大丈夫なんだろうかと点検始めたところ、一つ重大な問題に気づいたのだった。ハムスターの適温は20〜22度だ。これはクーラーの設定だと半端じゃなく低い。なにを隠そうたきがは、夏になるとクーラーに悩まされ、冬になると暖房に苦しむ、非エアコン生活者だったんである。特に夏のエアコンに弱く、たきがはは職場で、夏になるとレッグウォーマーをつけて、膝掛けを巻いてる怪しい人になっちゃうのだった。確かに夏の暑いのはしんどい。食欲はなくなるし、夜は眠れないし。でもエアコンで節々痛いくらいなら、暑がってる方が100倍ましなもんだ(この100倍にさしたる根拠はないんだけど、たきがは、「100倍まし」って言い方よく使う)。

しかし駄菓子菓子。ハムスター様は暑いのが大変苦手なのだ。ハムスター様のために、我慢すべきなのか、自分〜 そうまでしてハムスター様飼いたいのか〜

(まだ続く)

6月20日 それでもはむが飼いたいか

エアコン。それはハムスター様をうちにお迎えするにあたって、最大の難関だ。なにしろエアコンとの相性はとことん悪い。夏になれば冷房病に悩まされて節々が痛くなるし、冬は冬でえらく乾燥する。夏の暑さにはどうにも我慢がならず、やむなくエアコンかけるにいたったけれど、設定温度は30度。それもリモコン手元に置いて、切ったりつけたりの繰り返しだった。冬は完全不使用。たとえ手がかじかんでもこたつだけで乗り切ったもんだった。

自分が体調崩してもハムスター様を飼わせていただきたいのか〜 そこまでして飼うものか〜 否。それは住環境がハムスター様とご一緒できるものではないということなのだ。ハムスター様に合わせられなければ、それは飼ってはいけないということなのだ。なんか思考が100%ハムスター飼うぞ、という方向に転換していることをおかしいとも思わず、たきがは、2、3日も悶々とそればかり考えていた。エアコンとハムスターならぬ、自分の体調とハムスター。体調崩してまでハムスター様飼うのはやはりおかしい。ハムスターには縁がなかったのだ。あきらめた方がいい。「かわいい」と言うだけにとどめておくのが無難なのだ。と自分に言い聞かせること2日。

その時、悪魔がささやいたのだ。「全てのハムスターの飼い主がエアコンと闘ってるわけでもあるまいに」

待てよ。そうか、そうだ! うちでもハムスター様飼えるじゃん!! 思わず拳を握りしめるたきがはだった。

(まだ続く)

6月21日 飼うために

日記、というか雑文書こうと思ったら「コンテンツ検索索引作成」が始まってしまった。いつ終わるのかわからぬうえに始まると全ての動作が遅くなるので大嫌いなのだ。でもこれをしないとシャーロックはまともに働かないようなので開き直るしかない。

エアコンが天敵のたきがはの頼もしい味方、それは保冷材であり、凍らせたペットボトルであり、風であった。やーぱちぱち。あるところにはあるものです。ひとまず寒暖計と湿度計を買ってきて、どんなものか計ってみよう。諦めるのはそれからでも遅くないじゃん。小動物用のヒーターとかも売ってるって。

というわけで気温の問題はクリア。俄然飼う気になる。

しかし、ハムスターは身体が小さいだけデリケートな生き物だ。暑さ・寒さ・湿気にも弱いが、住処の置き場は、直射日光が当たらず、うるさくなく、湿気とかもひどくなく、かといって真っ暗すぎることもない、壁際が良いのだ。

えーと、壁際。俗に「足の踏み場もない」と言われる。たきがははそれを地でいくやつである。人様のところにお邪魔して「散らかってるんでー」と言われても、それが十分片づいているようなレベル、足の踏み場を探すのが大変になるまで片づけないというレベル、机の上があんまり散らかるんで100均で書類入れを買ってきたら、結局そこになんでもかんでも突っ込んでいるのでやっぱりどこになにがあるのかわからないというレベル。なにより、狭いたきがは家には壁はないのだ。全部家具か物でふさがってるのだ。

「引っ越すか」今のアパートは安い分、問題もいろいろある。コンロが2つないとか、コンセントが少ないとか、収納がないとか。加えて窓は1つだけ、壁もなし、これではハムスター様をお迎えできないではあーりませんか!!

(まだ続く)

6月22日 主治医が必要

たきがははアパートを借りている。その更新が半年先なので、それまでにハムスター様と暮らせる部屋を見つけて、いろいろなアイテムを揃えて(一度に買うと家計に響きますからねぇ)、という長期計画なんだった。

しかしハムスター様と暮らせるようになるためにはまだ関門がある。

必須事項の1つ、主治医さんを見つけろ、である。ハムスターはなにしろと犬や猫に比べると格別小さいので、どこの獣医でも診てもらえるわけではない、んだそうだ。かといって、いざ具合が悪くなってから探すのは、ハムスターのような小さい動物の場合、手遅れのことが多い。普段から信頼できる獣医さんを見つけておきましょう、であった。幸い、近所に動物病院はある、らしい。問題はハムスターを診てくれるかどうか、である。

ハムスターは意外と病気にかかりやすい。病気が完治しないことも珍しくない。それでもハムスター飼いますか〜 おう、飼うともさ。飼わせていただくともさ!!

妄想もここまでくると現実になるのかもしれない。

かくて「生こじろう飼うぞ計画」はスタートした。こんなやつがハムスター飼ってもいいのか〜 いいとも! 幻のはむはつぶらな瞳をきらきらさせて頷くのだった。

(この項終わり)

6月23日 どこで手に入れるのだ

日記と名のつくものは三日坊主のやつなんで、適当に気を抜いてやろうと思ってるけど、なんか続いているなぁ。というのも、まだ書くことがあるからなのであって、この後はそんなに頻繁にないと思うのだけど〜

新聞を読みあさっていたら、ページの真ん中にハムスター発見(文字サイズ最高倍率、太字希望)!! そのつぶらな瞳、ちっちゃな鼻とちっちゃな手足!! なんてぷりちーなんだ、はむ!! まるでハムスターを飼っていいですよ、と言ってくれてるようぢゃありませんか、朝○新聞さん!

とは言うものの、ハムスター様をお迎えするにあたって、最大の関門が待ち受けていたのだ。

近所にハムスターを扱ってるペット・ショップがないのだった。思い返してペット・ショップそのものがなかったのでタウン・ページで調べてみたら、やっぱりなかった。

いや、あったらあったでそれは危険かもしれない。なにを隠そう、衝動買いは序の口のやつなので、ペットショップにふらふら入り、1、2時間はたむろして、帰る時には「ありがとうございましたー」と見送られながら、手には小さな箱と飼育道具一式が。なんて事態になりかねない。

いやいやそれではいけないのだ。ハムスター様と無事に過ごすためには事前の準備が大事。そう、なんで日記といったら三日坊主のたきがはが日記などつけるのかというと、ハムスター様を飼わせていただくにあたって、こんな準備をしたんだよーという一コンテンツのつもりだったのである。それはまるで一つひとつ家具が揃うのを待つ新居のような・・・。

妄想はこの辺にして、準備そのものはまじめ。まずは必需品、温湿度計からゲットしたいものですなぁ。

6月24日 覚え書き

必要な物のリスト

壁際があって、開けっ放しにできる窓が2つ以上ある部屋

保冷器

エアコン

扇風機

ハムスターを診てくれる動物病院

温湿度計

衣装ケース

ケージ(夏用)

床材(広葉樹のがベスト)

住処

餌入れ

吸水器

トイレ

トイレ材

回し車

ハムスターの餌

かじり木

小動物用ヒーター

ハムスター

ひとまず病院はクリア。衣装ケース、ケージ、餌入れ、住処、吸水器、トイレ、トイレ材、回し車も確認しました。部屋探しも本腰を入れます。予算は決まってますから、選べるアパートも自ずから決まってるのです。

しかし! ペットショップだけが近くにありません。できるだーけできるだーけ近くで探そう。

そんな時、ネットでペットショップを探していたら、素敵なジャンガリアンのサイトを見つけてしまいました。葉菜ちゃんの最期に思わずもらい泣きするたきがは。大丈夫か、人様のはむで泣いちゃって〜

飼いたい熱、いよいよひーとあっぷ。

6月25日 はむと関係ない話

給湯器が壊れたのだった。最初の数秒だけお湯を出して、それからまったくお湯が出なくなっちゃったのだ。何回やってもだめだった。

ガス屋が修理に来てくれたが、直せず、結局お取り替え。でも今日のうちに取り替えてくれたから良かったかもしれない。

しかし、せっかく給湯器は新品になったのだが、もうじきここのアパート出るつもりなんだよね。かといってお湯なしでは今の時期はまだ辛いし、なんとなく複雑な気持ちで、「ユ○コ」を眺めてしまった。

良さそうな物件をいくつか見つけたのだが、契約満了前に引っ越すと、なにかあるのだろうか〜 初めての体験は続く。

6月27日 すくすく育て

仕事の関係で最近帰りが遅い。うちは会社から15分と近いので、10時まで残業しても、なんとか10時半には帰れるのだが、年中忙しいわけではないので、けっこうばらつきが大きい。

生こじろう飼うの悩んだのも、それがあった。ハムスターの活動時間は夕方から。「餌は起きてくる夕方頃にあげると良いでしょう」と書いてあったけれど、その時間に帰れる保障はまったくないのだ。否、帰れないことの方が多いのだ。

じゃあ、何時ならいいんだろうと考えて考えて、毎日9時ぐらいならまずうちにいられるんじゃないだろうか、と思ったのだった。9時にご飯。でも今日はそれより30分くらい遅かった。

「こじろう、ご飯だよ〜」と妄想のはむに餌をやる自分を妄想してみた。

真っ黒い瞳をきらきら輝かせて、一生懸命ご飯を食べるこじろう。

ジャンガリアンの手足には毛が生えている。ゴールデンは生えていない。にくきゅう色のちっちゃなちっちゃな手で、一生懸命ご飯を食べるハムスターを見てとろけてる自分。

妄想はすくすくと育っている。

6月29日 生はむ見ました

5時半過ぎだったと思うのだが、じゃん!じゃん!じゃんがりあんの聖美様ご推奨のペットショップ、新宿小田急へ行ってみた。

ら、ジャンガリアンはまだお休みタイム。敷き詰められた床材に埋もれてすやすや。なーんだ、ジャンガリアンの目覚めって夕方よりも遅いじゃないすか。9時ごろご飯じゃかわいそーと思ってたけど、案外いける時間じゃないのかなぁ。

ジャンガリアンでも一番人気と聞いた、ブルーサファイヤを初めて見たんですが! ジャンガリアンって和名だと「ヒメキヌゲネズミ」と言うんだな。ネズミはネズミなんだけど、「キヌ」って絹のことで、絹のような毛並みということなんだと。日本で絹のような毛と言ったら、それは最大の賛辞であろうと思うわけで、いやー、実物見て実感した。こりゃ、ほんとにきれいだわ。高級毛並みっす。しかも、たいていの本でブルーサファイヤ見るともっと濃いグレーなんだけど、その子はグレーも薄目、背中の一本線(ジャンガリアンの特徴で頭からお尻に濃いめのラインがある)があって、一番人気の理由もわかる気がした。サファイヤってのも大げさな名前だと思ってたけれど、そのジャンガリアンはほんとに宝石みたいだったのじゃー!!

ああ、どんな顔をして寝てるんだろう。何しろ見えているのは背中だけ。顔と腹と手足は床材のなか。起きるかなー、起きないかなーと期待してたけど、ハムスターはみんな起きる気配はなくて、ゴールデンサイズのキンクマハムスター(金糸こうという孫悟空のモデルになった猿がいるのだが、あんな毛並みのハムスター)が寝ぼけてふらふらしてたぐらいだった。

お値段もはむは手頃。ジャンガリアンは1800円から買える。はっはっは。温湿度計のが高いじゃないですか。残念ながら、そこにはゴールデンとジャンガリアンしかいなくて、ロボロフスキーやクロハラハムスター(体長30cm以上の最大級はむ)は見られなかった。キャンベルやチャイニーズもいなかったね。

いやいや、そこで衝動買いなどいたしませんとも。ハムスター様との生活のために、着々と準備中なのですから。

6月30日 Xでーはいつだ

「この色がいいねと君が言ったから、○月○日はハムスター記念日」

とゆー短歌は、「サラダ記念日」以来、相当作られたのだろうな。と思いつつ自分でも書いてみました。

またハムスターの本立ち読みしてて、ちょっと驚いたこと。

ハムスターの手足はほんとに細い。

ハムスターは他のネズミ仲間に比べると、尻尾が短いし、体つきも丸いのでバランスが悪いそうだ。その分、頬袋なるものが素晴らしく発達しているので、地中生活に適している。そう、はむは丸い。寝ているはむはどこに顔があるのかと思うほど、まん丸である。

しかし駄菓子菓子。はむの手足はそのまん丸な身体に比べて、針のように細いのだった。おわぁ。はむが丸いのって半分毛じゃないんですか〜 そりゃあ骨折も簡単にするわな。

ジャンガリアンハムスターの平均的な体長は約8cm。たきがはの約20分の1。ハムスターはほんとにちいちゃい生き物なんす。

あああ〜。はむさわりてぇ!!


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